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2014年10月9日木曜日

「違和感仕事しろ」なアジアゾウ at おびひろ動物園

普通にそこにいるのです

本日、動物園・水族館ニュース 日刊 Zoo Ring の記事をまとめていて、「あ、そういえば」と思ったのがこちらのブログの写真です。

おびひろ動物園 スポットガイド予定表
10月8日のスポットガイド

こちらのスポットガイド予定表、毎日、今日の動物として一頭の動物の写真が掲載されます。
10月8日分はアジアゾウのナナでした。

普通に写真に収まっていますけれど、昨日は帯広市は朝の最低気温は2℃近くまで下がっています。日中の最高気温も17℃をちょっと超えた程度です。
もともとインドとかタイとか暖かいところに暮らしているアジアゾウが、こんな寒いところで平然としているのって、実はすごいことではないでしょうか。

アジアゾウ。Wikimediaより。著作権情報

おばあちゃんなのです

今朝、ニュースをまとめていて一番の衝撃はやはり、鴨川シーワールドで日本最長の飼育日数記録を持っていたハンドウイルカ、スリムの訃報でした。
その、推定年齢48歳のスリムは、1971年から鴨川シーワールドで暮らしており、もはや、園の職員の誰よりも長くそこにいる動物になってしまっていました。

一方、おびひろ動物園の写真にあったアジアゾウのナナは、なんとそれ以前の、1964年からおびひろ動物園で暮らしています。
帯広市の冬を50回も経験してきているのですね。
今このナナが、北海道で見られる唯一のゾウとなっています。

ゾウという動物自体が有名ですし、最近は各地の動物園での出産だとかが話題になっています。

一方で、メスの高齢個体が増えているという問題もあって、つい最近では7月30日に大阪市天王寺動物園で春子(推定66歳)の訃報があったばかりです。

このおびひろ動物園のナナも、メスの高齢の個体ということで、今後のケアが大変になっていくことでしょう。
国内最高齢のアジアゾウ、井の頭自然文化園のはな子も、世界で一番手のかかるゾウといわれていますし。
(歯が抜けてしまって物を噛めないため、飼育員がエサを全部刻んであげないといけないのです。ゾウのエサの量ってものすごいのに)

ところで、一般論として、アジアゾウというのは、暖かいところの動物ということになっています。
かつては寒いところに住むゾウの仲間としてマンモスという動物がいたのですが、絶滅してしまいました。

私がぼんやり眺めるに、アジアゾウって、本当に暖かいところに適応した動物なのでしょうか?

確かに絵で見るマンモスほど体毛は発達してはいませんが。

体が大きいことって、寒いところで生活するのには有利だと言われています。
人より小柄なマレーグマより、体重300kgを超えるエゾヒグマのほうが、寒いところでの生活には適しているのです。一般論として。
恒温動物の場合、体が大きいほうが体温を保ちやすいからだと言われています。

インドとかタイにいれば十分にエサはあるし、ヒトほど急に数が増える生き物でもないしということで、単にその地域からはみ出す必要がなかったというだけで、実は地球上のかなり広い範囲で住める動物なんじゃないかな、と妄想してみたりするのです。

けれども、よく考えたら、帯広市ほど寒くない東京の上野動物園でも、冬場はしもやけ防止のために耳にオイルを塗ってもらったりしていました。

体は大きくても出っ張りが大きいというのは、寒冷地には向いていないのですね。

とか、一枚の写真を眺めながらあれこれ考えてしまいました。

とにかく北海道唯一のゾウですし、ゾウはそこにいるだけで人に夢を与えてくれる動物でもあります。
ナナさん、元気にこの冬も乗り切ってください。

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